診療報酬改定と医療DXの本質 記録の時代から、関係性の時代へ
- 21 時間前
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医療DXという言葉を耳にする機会が増えました。
電子カルテ、AI問診、生成AIによるカルテ作成、オンライン診療。
医療業界でもデジタル化は急速に進んでいます。
しかし私たちは、この流れを単なるIT化として捉えていません。
むしろ今起きているのは、
「医療機関の価値が何によって決まるのか」
という根本的な変化だと考えています。
診療報酬改定が示している未来
近年の診療報酬改定を見ると、ある共通した方向性が見えてきます。
それは、
- かかりつけ医機能
- 在宅医療
- 地域包括ケア
- 慢性疾患管理
- 多職種連携
- 重症化予防
への評価が強まっていることです。
これらに共通するものは何でしょうか。
それは、
患者さんとの継続的な関係性
です。
診療行為そのものではなく、診察と診察の間をどう支えるか。
地域住民の健康をどれだけ継続的に見守れるか。
そこに制度の評価軸が少しずつ移り始めています。
AIは医療を変える。しかし本質ではない。
生成AIの進化によって、
- 音声入力
- 要約
- カルテ作成
- 問診
は急速に自動化されていきます。
これは医療現場にとって大きな価値があります。
人手不足の解消にも繋がるでしょう。
しかし長期的に見ると、
これらの機能は誰でも利用できるようになります。
つまり、
AIがカルテを書くことは競争優位にはなりません。
電子カルテが普及したように、AIも医療の標準装備になっていきます。
カルテは共有される時代へ
標準型電子カルテや医療DXの推進によって、医療情報はより共有される方向へ進んでいます。
これは望ましい変化です。
患者さんの安全性が向上し、地域連携も進みます。
一方で、カルテそのものは徐々にインフラ化していきます。
かつて企業がサーバーを競争力だと思っていた時代がありました。
しかし現在はクラウドが当たり前です。
同じように、カルテも「持っていること」では差別化できなくなる可能性があります。
それでも残る問い
カルテに残るのは診療記録です。
しかし患者さんの人生は診察室の外で続いています。
例えば、
- 食事が取れているか
- 外出できているか
- 家族との関係はどうか
- 服薬は継続できているか
- 孤立していないか
こうした変化は、診察の瞬間だけでは見えません。
だからこそ、
「どうしてここまで悪くなるまで気づけなかったのだろう」
という場面が起きます。
これは医療者の努力不足ではありません。
現在の医療制度では、診察と診察の間を十分に支える仕組みがなかったからだと考えます。
PrimaryTouchが考える次世代の医療
私たちは、これからの医療は
Relationship Transformation(関係性の変革)
に向かうと考えています。
診療を記録するだけではなく、
患者さんを理解し、継続的に見守り、必要な時に介入する。
そのための基盤が必要です。
PrimaryTouchは、
患者さんと医療機関との関係性を支えるためのプラットフォームとして設計されています。
新しい物差し「PrimaryTouchスコア」
もし医療が継続的な関係性を重視する時代に向かうのであれば、
その成果を測る指標も必要になります。
そこで私たちは、
PrimaryTouchスコアという考え方を提案しています。
これは、
「どれだけ地域住民を継続的に支えられているか」
を可視化するための指標です。
例えば、
① 地域住民の健康状態カバー率
どれだけ多くの地域住民の健康状態を把握できているか。
② 適時来院提案率
適切なタイミングで受診を促せているか。
③ 非同期アラート発見率
診察と診察の間の変化を早期に捉えられているか。
④ 生活課題介入率
食事、運動、介護、孤立など生活背景への支援ができているか。
⑤ 継続健康管理率
検診やフォローアップを継続できているか。
これらは単なる業務指標ではありません。
地域医療の質そのものを示す指標です。
私たちはPrimaryTouchを、AIツールとして捉えていません。
むしろ、地域医療におけるCRM(Community Care Relationship Management)だと考えています。
Salesforceが企業と顧客との関係性を新たな次元でモデル化したのと同じように
PrimaryTouchは、医療機関と患者さん、家族、地域との関係性を管理する基盤を目指しています。
重要なのは、記録が積み上がることではありません。関係性が積み上がることです。
患者さんとの接点が増える。
生活データが蓄積される。
ナラティブが蓄積される。
家族との関係が可視化される。
地域との連携が生まれる。
その結果として、
地域住民の健康状態が継続的に把握されるようになる。
これはカルテでは実現しにくい資産です。
積み上がるほど強くなる事業
私たちは、
PrimaryTouchの本質的な価値は
「利用回数」ではなく「関係性の蓄積」
にあると考えています。
利用者が増えるほど、ナラティブデータが増える。
地域理解が深まる。
介入精度が上がる。
医療機関の価値も向上する。
結果として、
地域住民の健康状態が改善される。
これは単なるSaaSではなく、地域医療そのもののインフラへ近づいていくプロセスです。
おわりに
AIはカルテを書きます。
電子カルテは共有されます。
記録業務は効率化されていきます。
しかし、
患者さんを理解すること。
変化に気づくこと。
継続して支えること。
地域全体を見守ること。
これらは依然として医療の本質です。
私たちは、診療報酬改定が示している未来は、
「記録中心の医療」から「関係性中心の医療」への移行だと考えています。
PrimaryTouchは、その変化を支える基盤でありたい。
そしてPrimaryTouchスコアは、その価値を可視化する新しい物差しでありたいと考えています。



