看護現場での「AIとの協働」の可能性
- 佳嗣 廣川
- 6月2日
- 読了時間: 4分
更新日:6月12日
「もう限界かもしれない」
「今日も記録が追いつかない」
「患者さんにもっと寄り添いたいのに、時間がない…」
これは、今多くの現場看護師が抱えている正直な声です。
丁寧なケアをしたいという思いと、膨大な業務量とのあいだで揺れる毎日。
気力を振り絞って患者さんのために尽くしても、終わらない記録や報告、タスクに追われ、「本当にこれでいいのだろうか」と悩んだことはありませんか?
そんななかで、今少しずつ注目され始めているのが「AIとの協働」です。
AIを“業務を奪う存在”ではなく、“一緒に働くパートナー”と捉える組織は、現場のストレスを減らし、看護師が辞めないチームづくりに成功しています。
■ 情報の取得が、ストレスを減らしてくれる
患者さんのもとを訪れる前に、「最近、微熱が続いているようです」「食欲はあるけど少し元気がない様子」などの情報があったら、どれだけ安心して訪問できるでしょうか。
PrimaryTouchのAIエージェントは、日常的に患者さんとの非同期のやりとりを通して情報を蓄積します。そのデータは看護師が訪問前に確認でき、状況把握が“ゼロから”ではなくなります。
これにより、
何を聞けばよいか迷わない
一歩踏み込んだコミュニケーションができる
不安の見落としを防げる
といったメリットが生まれ、「とにかく目の前のことを処理する」ケアから、「その人を支える」看護へと、一歩踏み出せるようになります。
また、訪問中の内容も録音され、AIが自動的に要点をまとめてくれるため、帰院後の記録作業に追われる時間も大幅に減ります。これは、看護師にとって日々蓄積されていた“情報処理のストレス”を、目に見えて軽減する力になります。
■ AIという“仲間”がいるという安心感
「忙しいときに、そっとメモを取ってくれている人がいる」
そんな存在がいたら、どれだけ心強いでしょうか。
AIは、人の代わりに気づき、記録し、情報を整理してくれます。もちろん感情を持っているわけではありません。でも、必要なことを忘れず、冷静に支えてくれる“機能としての仲間”なのです。
たとえば、
同じ患者さんに関わる看護師間での情報共有
家族への説明資料の生成
小さな変化のアラート通知
など、「つながる・共有する・補う」という形で、AIがさりげなく現場をサポートしてくれます。
これは、まさに“チーム医療”の延長線にあるAIです。1人で抱え込まない働き方を実現する手段のひとつとして、看護師にとって「もう一人の仲間」が増える感覚ともいえます。
■ 「やっぱり患者さんのために、いい看護がしたい」
多くの看護師が離職を考える瞬間、それは「やりたいことができていない」と感じたときです。
目の前の患者さんにもっと時間をかけたい、笑顔に寄り添いたい。けれど現実は、業務の波に押し流され、「誰のための仕事なのか」が見えなくなる瞬間があります。
AIとの協働は、その“やりたかった看護”を取り戻すきっかけになります。
業務が効率化されることで、患者さんと過ごす“質の高い時間”が生まれる
情報が整っていることで、感情的な余裕を持って接することができる
患者さん自身がAIエージェントを通じて自分の体調や気持ちを表現できるようになり、より深い関係性が築ける
こうした変化が現場に積み重なることで、「やっぱり、この仕事が好きだ」と感じられる時間が増えていきます。
そしてこの“満たされる感覚”こそが、看護師を職場につなぎとめる最も大きな理由です。
■ まとめ:AIとの協働は、やりがいを支えるインフラになる
「人が辞めない組織」とは、報酬や制度だけで成り立つものではありません。
看護師が「ここで働き続けたい」と思えるかどうかは、その現場で“自分の看護観”が実現できているか、自分らしく患者さんと向き合えているかが大きく関係しています。
AIとの協働は、その環境を静かに、しかし確実に支えてくれるインフラです。
雑務の一部を引き受け、情報を整え、スタッフどうしの連携を助け、そして何より、「患者さんに寄り添う時間」を取り戻させてくれます。
忙しい日々の中でも、少し深く呼吸ができる。
そんな働き方を、テクノロジーとともに。
PrimaryTouchは、看護師が“辞めない”だけでなく、“やりがいを持ち続けられる”現場を、現実のものにしていきます。